夜のジャズ理論講座 Vol 1を終えて / 南博
夜は、大谷能生氏も含めてですが、演奏をする時間帯であり、それはアドレナリンが分泌される時刻でもあり、演奏時の馬力で理論を教えるという行為に脳内物質と共に充てられた事が功を奏し、実に有意義な時間を過ごしました。
私は音楽大学で西洋音楽史、バークリーではジャズヒストリーを学びましたが、双方共、わずかですが微妙な疑問が残りました。何故の中のどうして、どうしての中の何故としか言いようがありませんが、今回そこを明らかにしたかったのが、夜の学校を始めた動機です。ですので、既存の学校では教えないであろう表題から丁重に説明する事を第一目標としました。結果、手前味噌ですが、若かりし頃の自分が生徒になりたかった内容だったと感じています。
Vol 1の内容を要約して説明すれば、Do,Re,Mi~の起源からルネッサンスに至るまでの西洋音楽史の概要、ルネッサンス後の調性の誕生、そこから生まれた機能和声の原点、その大元となるTriad(三和音),そのTriadから派生したDiatonic Chord Progressionまで、時間を大幅に超過しましたが説明できたと思います。大谷氏の絶妙な補足、進行役としての機転、新たなる知見にも大いに助けられました。
各事象に対する説明の成り行きは、二人で講義したという事もあり、ウネウネとしてしまった部分もありますが、大谷氏共々、要点は掴んでいました。そして告知にある通りの、Vol 1で説明を約束した内容をふんだんにお客様に伝える事が出来たと思います。皆様かなり真剣でしたので、こちらも教えがいと充実感を感じることができました。
さて、次回Vol 2 は6月14日、20:00からです。内容はもう一歩踏み込んで、Scale(音階)、Interval(音程)、Cycle of 5th(五度圏)へと移っていく所存でおります。次回も既成の理論書、楽典の本では詳らかにしていない、つまり「猫」はどうして「ねこ」と読み、ある一定の哺乳類を指すのか、という観点から、再び音楽そのものに深入りして行くつもりです。
日程が近づきましたら改めて再度告知をします。Vol 2 からの参加も大歓迎です。
理論理屈を通り越え、ジャズは夜の音楽です。そしてそれを酒を片手に学ぶ事が、日常性から乖離した大いなる意義を持つ事を今回確信しました。
最後に、夜の学校開校という突飛な発想を笑顔で承諾して頂いたApolloのオーナー、三浦氏に感謝したく思います。これら全ては三浦氏の度量の賜物です。
南 博
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